2010年 11月 12日
元荒川の河畔にて。
東武東上線の越谷で降りて徒歩。
元荒川に竿を出すのは、実に子どものとき以来かもしれません。
田んぼの稲刈りが終わってしまったせいか、
元荒川も、併走する葛西用水も水量少なし。
川沿いを少し歩いたところに、溜まりを見つけて竿を出しました。
先日読んだ『釣りの風景』にも、この周囲のことは書かれていて、
著者の伊藤桂一さんは、昭和30年代前半、ヤマベを釣りにここまで来ていたそうです。
当時、このへんには曖昧屋があって、
曖昧屋というのは、遊郭などとは違って
本当の本当に秘密の売春をしていた店の俗称のことらしい。
千住柳町の遊郭で贔屓にしていた女性がそこまで流れていったので、
一度会いに行ったついでに釣りをした、とあります。
決して裕福ではなかった時代だろうけれども、
なんだか優雅に思えてしまうのはなぜでしょうか。
そんな河畔で竿を出した僕たちに釣れたのは、
コイ、フナ、ハゼ、ヌマチチブ、タモロコ、
そしていつものごとく多量のクチボソ……。
裕福でも優雅でもありませんね。
越谷市/埼玉県。2010年。