2012年 07月 15日
親父の故郷。
亡き親父が生まれてから青年時代までを過ごした故郷。
今では親父が過ごしていたころの面影もまったくないであろう街。
それでも若き日に親父はここで育っていたわけで、
この街でいったい何を見て、どんなことを考えていたのだろう。
その後、親父は家族ごと東京に引っ越してしまったので、
僕は生まれてから一度もこの地を訪れたことはないし、
もちろん故郷という感覚もまったくない。
それでも車窓から見える、風に波打つ青々とした稲穂や、
その先に見える、「ほんとの空」があるという安達太良山の蒼いシルエットには、
なにか既視感を感じてしまうのはなぜなんだろうね。
間違いなく、親父もこの風景を見ていたという確信から来るものなのかな。
福島県。2012年。