2015年 02月 13日
数少なくなった、利根川の渡し船に乗ってみた。その2
といっても、向こう岸に着いたらまたすぐ戻ってくることになるので、
念のため「往復するだけなんですが、いいですか?」と尋ねると、
快く了承してくれました。
今回の便は僕ひとりの貸し切り状態で、ちょっと恐縮。
備え付けのライフジャケットを着て、
椅子に座ればすぐに出航です。
桟橋をバックで抜けて船をターンさせると、
斜め前方にある対岸の桟橋まで、
再び弧を描くように向かいます。
航海(航河?)の道すがら、
いったいどんな人が利用しているのか質問してみると、
昔は、通学の小学生などもいたそうですが、
現在は、ほとんどが観光客とのこと。
今はもうエンジンがついていますが、
当時はまだ竹竿を使って二人がかりで操船していたのだとか。
わずか数分とはいえ快適な船旅でしたが、
やはり大雨で増水したり、
河が極端に濁っているときは運休になるそうです。
もう対岸の到着です。
増水時の状況が伺えます。
ちなみに、桟橋が水没するくらい増水した時点で運休決定のようです。
彼らも往復利用とのこと。
なんだか申しわけないような気持ちになりますが、
船頭さんは意外と嬉しそうです。
たしかに、せっかく船を出しても誰も乗ってくれないのにくらべたら、
たとえ観光目的でも利用者いあるほうが楽しいかもしれません。
再び対岸に到着して僕は下船。
自転車も乗せられるんですね。
さすが船という乗り物は包容力があります。
この渡し船、正式には島村渡船と呼ばれています。
島村というのはこの地区の地名。
こんなに交通が発達した時代に、
なぜこの渡し船が存続しているのか不思議でしたが、
それには理由がありました。
実は、群馬県から利根川を渡ると埼玉県に入るわけですが、
この一角だけ群馬県なのだとか。
過去に利根川の築堤改修工事を行った際に、
この地区が分断されてしまったのだそうです。
しかし、この分断された地区を結ぶ橋はなく、
かといってそのためだけに橋を架けるのは、
あまりにもコストがかかるといことで、
今日も渡し船が往復しているのだそうです。
ちなみにこの航路、
交通法的には伊勢崎市の市道扱い。
そんな成り立ちからでしょうか、
船賃はなんと無料。
地域住民はともかく、
よそから来た観光客も無料というのは、
なんとも太っ腹ですね。
いいぞ! 伊勢崎市。
そうそう、今回初めて知りましたが、
伊勢崎市は「いせざきし」ではなく、「いせさきし」が正解ですよ。
これも憶えておきましょう。
別に試験には出ないと思うけど。
群馬県。2015年。