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「廃」渡し船跡を辿る。

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群馬県の大間々は渡良瀬川の河岸段丘に広がる街です。
ここに、かつて渡し船が通っていたというのを聞いて行ってみました。
クルマの往来も少ない細い道。
そこからさらに渡良瀬川に向かって下る
土道が渡し場への道のようです。

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落ち葉に埋もれ、歩く人もいなそうな状態ですが、
落ち葉を払いのけてみると、
石畳のような路面が見えます。

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当時の遺構でしょうか。
なかなかの急坂なので、
土道のままでは雨が降ったときなどには難儀しそうです。

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下るにつれて道は次第に荒れてきます。

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ようやく木々のすき間から川面を姿を見せました。

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道はそこから渡良瀬川と併走するように緩やかにさらに下っていきます。

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ようやく川辺に出ました。
渡しの跡らしきものは皆無です。
ここは両岸ともかなり切り立っているので、
増水でもした日には、
桟橋なんてあっという間に流されてしまうのでしょうね。
キャンプでもしたら楽しそうですが、
増水したら一発で水没しそうだし、
下ってきた斜面もなかなか急なので、
落石も心配です。
記録によるとこの渡し場は、
大間々村と高津戸村を結ぶ重要な水上交通で、
この付近は「船場」と呼ばれ、
宿場町としてずいぶんと栄えたそうです。
明治時代に地元の有志によって橋が架けられ、
渡し船もその役目を終えたとのこと。
先ほど下ってきた道を難儀しながら登り返すと、
途中に石祠がひとつ、
忘れ去られたように林のなかに祀られていました。

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当時、航路の安全を祈ったものでしょうか。
群馬県。2015年。
by apolro | 2015-12-24 15:17 | 渡し船部 | Comments(0)

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