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昭和の上製本で考えた。

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最近、故あってちょっと昔の釣り随筆をまとめ読みいしているのですが、
あのころの上製本は手間とお金をかけているなあ。
函入りは当たり前、
装幀は凜とした佇まいを感じさせる角背の上製。
表紙まわりは布張りで、
背の文字は上品な銀の箔押し。
おまけに表紙中央部には、
写真ではちょっと見にくいけれど、
鯉(たぶん)の意匠の型押しつきですよ。
1980年刊行で2900円といったら、
当時でもなかなかに高価だけれども、
今だったらいったいいくらになるんだろう。
本が売れなくなって、
なんとか薄利多売で持ち直そう、
オンデマンド出版で経費を抑えようというのもわかるけれども、
そのいっぽうで、
こういった造本技術が若い職人にちゃんと継承されているのか、
とても不安です。
彼らからしたら、
どんなに残したくても注文がないかぎり作れませんからね。
東京都。2016年。
by apolro | 2016-11-20 11:57 | 旅の道具、日々の道具 | Comments(0)

今日の旅、昔の旅、そして狭間のよしなしごと。

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