2016年 11月 29日
民生食堂の旅、失意編。
くわしくはコチラ。
http://apolro.exblog.jp/25237767
終戦直後に成立した「民生食堂」というシステム。
そしてそれがまだ平成の世にも残っているのを知って、
いたく感動したのだった。
そしてまだ都内に数軒残っている民生食堂を訪ねようと決意。
しかし。
人は日常に流され、
日々は知らぬまに過ぎ、
ようやく2軒めの民生食堂へ向かったのは先週のこと。
場所は両国。
店の名前は下総屋食堂。
どんな定食が待っているのだろうと期待すると足取りも軽やかだ。
JR両国駅の改札を出て、
国技館の前を通り過ぎて、
安田庭園のすぐ脇にその食堂はあった。
ところが、おお着いた着いたと道路の反対側から眺めてみると、
ちょっと様子が変。
人の気配がない。
灯りも消えている。
定休日、営業時間は事前に調べてきた。
そんなぬかりはない。
なんだなんだと慌てて走り寄ってみると、
そこには一枚の張り紙が。
「しばらくの間休ませていただきます」
なんらかの理由で長期休業に入ってしまったらしい。
そして歴史あるお店がこの張り紙を出したとき、
多くの場合はこのまま廃業してしまうことを僕は知っている。
跡継ぎ問題か健康上の理由か……。
店の前で呆然と立っていると、
偶然、並びの民家から女性が出てきたので尋ねてみると、
この張り紙が出たのは数ヶ月前とのこと。
来るのが少し遅かったか……。
「いつか」「そのうち」はもうない。
街中の昭和は駆け足で去っていく。
東京都。2016年。