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民生食堂の旅、失意編。

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高円寺に現存する民生食堂「天平」に入ったのは今年の5月のこと。
くわしくはコチラ。
http://apolro.exblog.jp/25237767
終戦直後に成立した「民生食堂」というシステム。
そしてそれがまだ平成の世にも残っているのを知って、
いたく感動したのだった。
そしてまだ都内に数軒残っている民生食堂を訪ねようと決意。
しかし。
人は日常に流され、
日々は知らぬまに過ぎ、
ようやく2軒めの民生食堂へ向かったのは先週のこと。
場所は両国。
店の名前は下総屋食堂。
どんな定食が待っているのだろうと期待すると足取りも軽やかだ。
JR両国駅の改札を出て、
国技館の前を通り過ぎて、
安田庭園のすぐ脇にその食堂はあった。
ところが、おお着いた着いたと道路の反対側から眺めてみると、
ちょっと様子が変。
人の気配がない。
灯りも消えている。
定休日、営業時間は事前に調べてきた。
そんなぬかりはない。
なんだなんだと慌てて走り寄ってみると、
そこには一枚の張り紙が。

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ガーン。
「しばらくの間休ませていただきます」
なんらかの理由で長期休業に入ってしまったらしい。
そして歴史あるお店がこの張り紙を出したとき、
多くの場合はこのまま廃業してしまうことを僕は知っている。
跡継ぎ問題か健康上の理由か……。
店の前で呆然と立っていると、
偶然、並びの民家から女性が出てきたので尋ねてみると、
この張り紙が出たのは数ヶ月前とのこと。
来るのが少し遅かったか……。
「いつか」「そのうち」はもうない。
街中の昭和は駆け足で去っていく。
東京都。2016年。
by apolro | 2016-11-29 11:41 | 旅の日々 | Comments(0)

今日の旅、昔の旅、そして狭間のよしなしごと。

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