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マニアックな道具はカッコいいか。

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世の中には、
ある特定の職業の人だけが用いる
マニアックな道具というものがある。
そして、そういうマニアックな道具というのはえてしてカッコいい。
たとえば、
カメラマンがスタジオ撮影のときに用いる露出計。
現行品はほとんどデジタル表示だが、
これが昔ながらのアナログ式だったりすると
カッコよさはさらに跳ね上がる。
たとえば、
眼鏡をつくるときの検眼で使う、
やたら仰々しい検眼器。
あの何十種類ものレンズがセットになっている姿は、
見ているだけでため息がでそう。
たとえば、
カフェでエスプレッソを注文したときに、
ブシューッと盛大な音を立てるエスプレッソマシーン。
あ、そのときに粉をグイグイと押し込む、
小さな棍棒状の道具もカッコいいな(あれ、なんていう名前だ?)。
自分もそんな道具をなにか持っていないかと思案したところ、
思い浮かんだのがこれ。
カラーチャート。
印刷所に色を指定するときに使う見本帳だ。
シアン(青)、マゼンタ(赤)、イエロー(黄)、ブラック(黒)を、
どれをどれだけ混ぜ合わせると希望の色になるかを知ることができる。
出版、印刷、デザイン関連の仕事で主に使うものだろう。
でも、きれいだけれどもあんまりカッコよくはないのは、
前述のものと違って、
これが金属でできていないからか。
赤瀬川原平さんが唱えていた「金属人類学」に属する問題なのだろうか。
そもそもこのカラーチャートも、
印刷のデータ入稿が基本になった昨今では、
出番もあまりないだろう。
仕事を始めたときからコンピュータの使用が当たり前の世代は、
もしかしたら使ったことすらないかもしれない。
そういう僕もすでに10年以上使っていない。
そんなに時間が経っちゃうと、
すでに退色が進んでいて、
本当の色が表示されているのかもアヤシイものだ。
でも。
だからといってなかなか処分する気になれないのも、
こういった道具の特性だろうか。
東京都。2017年。
by apolro | 2018-01-11 11:50 | 旅の道具、日々の道具 | Comments(0)

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