旅と暮らしの日々 by sato tetsuya


今日の旅、昔の旅、そして狭間のよしなしごと。
by apolro
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カテゴリ:映画で旅する( 37 )


映画『百日紅』を観た。

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舞台は江戸。
時代は文化年間。
天才絵師・葛飾北斎とその娘にしてこれまた天才お栄の物語。
原作は漫画家にして江戸風俗研究家でもあった杉浦日向子さん。
彼女が亡くなってからもう12年にもなるんだね。
冒頭で描かれる江戸・両国橋からの眺めがとにかく美しい。
橋を往来するさまざまな職業の人々。
とんがらし屋、白玉屋、すずむし屋……。
世界有数の大都市にしてエコ都市だった当時の江戸と、
そして異界への入口がそこかしこに顔を覗かせる江戸が交差する。
長屋沿いを流れる水路の水も清らかで、
そんなところに釣り糸を垂れている釣り師には、
「いってぇ何が釣れてるんでい?」と声をかけたくなる。
ちなみに今でも出版業界では、
出版社のことを版元と呼ぶのだけれど、
この呼びかた、
江戸の時代から使われていたんだね。
お栄がたびたび作品を収めにいってました。
この時代の江戸、
できるものなら一度は旅してみたい!
東京都。2017年。
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by apolro | 2017-08-08 15:37 | 映画で旅する | Comments(0)

映画『探検隊の栄光』を観た。

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舞台は南洋にある架空の国・ベラン共和国。
この国の山中深くに潜む三首の巨獣「ヤーガ」を発見するために、
日本のテレビ番組「探検サバイバル」のクルーが挑む、というお話。
もう、おわかりですね。
モチーフは昭和に一世を風靡した「水曜スペシャル 川口弘探検隊」。
僕は世代的にはちょっとずれていて、
あのチープ感が一番許せない年頃だったので、
実際にはほとんど観たことがないのだけれど、
ひとまわり下くらいの世代は、
それこそ夢中になったのではないでしょうか。
ちなみに僕の世代は「木曜スペシャル」にどっぷり。
ネッシー特集に固唾を呑み、
心霊写真特集に震え上がったものです。
物語のほうはお約束通り、
途中で幾度となく隊員達がピンチに陥り(その裏話も見せて)、
少しずつ核心に近づきつつある(というような設定づくりを見せて)ところで、
反政府ゲリラと政府軍との内戦に巻き込まれて……。
全般的にユースケ・サンタマリアをはじめとする
ワアワアキャラが跋扈するなか、
無口だけれどもしっかりと仕事はこなす
ベテランカメラマン役の田中要次がいいアクセントになってます。
2015年公開の映画。
東京都。2017年。
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by apolro | 2017-06-23 11:26 | 映画で旅する | Comments(0)

映画『ゾンビ革命』を観た。

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舞台はキューバの首都ハバナ。
星の数ほどあるゾンビ映画のなかでもこれは異色で、
社会主義政権下のキューバでつくられたもの。
ハバナである日突然始まったゾンビ騒動。
政府はこの騒ぎをアメリカから資金援助を受けた
反体制派の仕業に違いないと
トンチンカンな対応をしているうちにゾンビは蔓延、
収拾がつかなくなる。
主人公はイイ歳して無職で毎日ラム酒ばっかり呑んでいるのだが、
この事態に対して意外な商才を見せる。
ゾンビ化してしまった家族など、
愛する人を殺せない人に代わって始末をするという
ゾンビ殺人代行社という「ビジネス」を始めるのだ。
個人経営商売のあけぼのだ。
政府が機能しなくなり、
これからは自分たちで道を切り開かなくてはならないとわかったとき、
「こうなったら山にこもってゲリラ戦だ」とか、
もはや海を渡ってフロリダに逃げるしか道はないとなったときには、
「いよいよ資本主義の餌食になるときがきたぞ!」とか、
キューバ現代史を鑑みると、
思わずニヤリとしてしまう台詞が随所にちりばめられている。
これ以外に宗教がらみの問題とか、
同性愛に関する話とか、
政治体制以外にもおそらく現在のキューバが抱えているであろう
さまざまな問題をポツポツ皮肉っていて飽きさせない。
まあ、全体を通して低予算でチープなつくりではではあるのだけれど、
エキストラだけは無尽蔵に使ってたな。
2011年のキューバ/スペイン合作映画。
東京都。2017年。
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by apolro | 2017-06-14 12:58 | 映画で旅する | Comments(0)

映画『飢餓海峡』を観た。

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舞台は昭和22年の北海道。
岩内の大火、青函連絡船の転覆といった、
実際にあった事件事故をモチーフに、
犯罪を犯して逃げる男と、
その途中で男に恩を受けた女を中心に物語は進んでゆく。
話はその後、下北半島の恐山や大湊を経て東京、そして東舞鶴へ。
途中、男が下北半島で森林軌道に便乗するシーンがあるのだけれど、
あれは大畑あたりを走っていたものだろうか。
大湊に着いた路線バスはボンネットバスで、
バスガールつきというのも懐かしい。
東京はまだ売春防止法が制定されるまえで、
亀戸界隈は娼婦や米兵が闊歩している。
上野駅はほとんど変わってないんだな。
後半から血気盛んな若い刑事役で高倉健が登場するのだが、
これがもうしゃべるしゃべる。
こんなに饒舌な健さんを観たのは初めてかもしれない。
登場人物の多くが貧困のなかを必死に生きており、
当時の時代背景を彷彿とさせる。
飢餓海峡というタイトルもそんなところからだろう。
もっと新しい時代の作品かと思ったら公開されたのは1965年。
50年以上前の作品で当然モノクロ。
東京。2017年。
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by apolro | 2017-06-04 15:33 | 映画で旅する | Comments(0)

映画『めぐり逢わせのお弁当』を観た。

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舞台はインドのムンバイ。
弁当配達人の手違いから、
自分の夫ではない人に弁当を配達されてしまった主人公の女性と、
それを食べることになった初老の男性との弁当を介した手紙のやりとり。
インドには弁当配達人という仕事があるんですね。
これは家庭の妻が作った弁当を預かって、
夫の職場まで届けるという仕事。
なんで夫は直接持参しないんだろう。
インドは気温が高いからそれだと、
昼までに傷んでしまうのだろうか。
あるいは少しでもできたてを届けたいという気持ちからなのか。
以前、インドにはあらゆる職業があって、
洗濯したシーツを二人組で乾くまでずっと持っている
「乾かし屋」というのもいるほどだというのを
聞いたことがあるけれども、
弁当配達人というのもそういった職業の多様性の一環なのだろうか。
文通を始めるきっかけになった最初のお弁当に入っていたのはアルゴビ。
カリフラワーとジャガイモのドライなカレーですね。
アルゴビは僕も好きなインド料理なのでちょっとうれしい。
その後も劇中にアルゴビが語られるシーンがあって、
もしかしたらアルゴビは、
インドでは日本の肉じゃがみたいな存在なのかもしれない。
それ以外にもパニールやマトンのカレー、
ロティやパロタも出てきて、
観ているうちにインド料理が食べたくなる。
あとこの映画を観ていると、
お弁当をつくる主人公も、
彼女に料理を教える同じアパートのおばさんも、
そしてお弁当を食べる男性も、
インド人というのはやっぱり料理から立つ
香りに敏感なのだなあということがわかる。
さすがにスパイスの国ですね。
家庭を顧みない夫を持つ女性と、
妻に先立たれた男性のこの弁当文通の結果は書きませんが、
ちょっと切なくなりますぞ。ご同輩。
2013年公開。
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by apolro | 2017-05-23 11:05 | 映画で旅する | Comments(0)

映画『駅 STATION』を観た。

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これもどういうわけか観ていなかった映画の一本。
舞台は北海道の増毛や札幌、そして雄冬。
タイトルからして主演の高倉健はてっきり鉄道員なのかと思いきや、
なんと刑事。
しかも狙撃の名手でメキシコ五輪候補。
彼を主軸として、
事件に関わってくる幾人もの女性たちが、
まるで駅に近づく複線のレールが次第に合流するように、
そして駅から離れるにつれて再び分岐してゆくようにして、
物語は進んでいく。
映画を彩るのは「ザ・昭和後期」とでもいうべきさまざまな事象。
序盤では東京五輪のマラソン銅メダリスト・円谷幸吉の自殺が報じられ、
発生する事件も昭和生まれならなんとなく
「あの事件がモチーフか」と想像できる。
劇中で流れるテレビからは『舟歌』や『エーゲ海に捧ぐ』など、
お馴染みの昭和の歌謡曲。
そして主人公が故郷である雄冬に帰るとき、
船を利用するシーンがあって、
なにも予備知識がないと「郷里は島なのか」と誤解してしまいそうだが、
ここにも昭和の時代背景が盛り込まれている。
当時、雄冬にはまだ国道が開通しておらず、
雪の厳しい冬は船で海路を行くしかなかったのだ。
現実に雄冬に国道が開通するのは
この映画の公開年と同じ1981年のこと。
これで過疎の進む雄冬にも人が戻ってくるかに思われたのだが、
実際には国道の開通によって集落は単なる通過点になってしまい、
人は流出する一方。
昨年2016年にはこの区間の鉄道路線である、
留萌本線の留萌—増毛間も廃線に。
劇中、実家に戻ったときに、
「もうすぐ国道が開通して、ここも賑やかになるぞ!」と喜ぶ、
雄冬の人の姿が哀しい。
東京都。2017年。
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by apolro | 2017-05-17 10:14 | 映画で旅する | Comments(0)

映画『マイ ビューティフル ガーデン』を観た。

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舞台はイギリス・ロンドン。
複雑な生い立ちをもつ主人公の女の子は、
それが原因なのか超几帳面な性格を持っている。
燭台に並ぶ蠟燭の長さが全部同じでないと気持ち悪かったり、
毎日きっちり同じ時間に朝食を食べたり、
洗面台には曜日毎に使い分ける歯ブラシがずらりと並んでいたり。
こういう人、たまにいますね。
そんな彼女が苦手なのが植物。
だって自分の決めた秩序にまったく従ってくれないから。
そんなわけで庭つきで借りているアパートの庭も荒れ放題で、
それを見とがめられた不動産屋から、
1ヶ月以内に庭を原状復帰させないと退去処分されることに。
そこに隣人の超偏屈だけど植物に関する愛情はひとかたならぬ老人や、
その老人に料理人として雇われている男性などが絡んでゆく。
果たして庭は蘇るのか。
ストーリーにはそんなに意外な展開はなく、
予定調和といえば予定調和なのだけれど、
こういう話に意外性はいらないのかもしれないですね。
ちょっと少女漫画チックで、
大島弓子あたりの作品にありそうなかわいい物語。
って、そんなにたくさん彼女の読んだことがあるわけではないけれど。
本編には直接関係ないのだけれど、
偏屈老人に奴隷まがいの扱いを受けている男性と、
主人公の女性が突如、
老人にはわからない言語で話し始め、
それを聞いた老人から、
「英語で話せ。ゲール語を使うな」といわれる件で、
二人はアイルランド出身だとわかるという仕組み。
そして男性が「奴隷制度はもう廃止になったのに……」と呟くあたりに、
イギリスとアイルランドの関係がちらりと垣間見えます。
いずれにしてもこの映画を観た後に僕が真っ先に思ったのは、
荒れ放題になっているうちの庭の一角を一刻も早くなんとかせねば、
ということでした。
2017年。東京都。
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by apolro | 2017-04-29 11:34 | 映画で旅する | Comments(0)

映画『海は燃えている』を観た。

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映画の舞台はイタリアの離島・ランペドゥーサ島。
ベラージェ諸島に属し、
さらにはシチリアのアグリジェント県に属する
面積20平方キロほどの小さな島だ。
以前シチリアを訪ねたときに、
ついでにいけないものかとちょっと考えてみたのだが、
甘い甘い。
シチリアからは200キロ以上南西に離れ、
逆にアフリカのチュニジアまでは100キロほどの距離。
しかもその間にはマルタ共和国という、
別の国まである。
とてもとても「ついでに」行ける島ではなかった。
近年、この島の地理的な理由から、
アフリカから膨大な数の難民が命がけでやって来る。
その数は、人口5500人ほどの島に、
年間50000人以上。
辿り着けなかった人も含めればいったいどれだけの数になるのか。
島には巨大なレーダーが設置され、
ひとたび救難コールがかかれば、
救命艇、ヘリコプターで救助に向かう。
いっぽう、島には島の日常がある。
子どもは学校に行き、
母は食事をつくり、
父は海に漁に出る。
島の日常。
そこには難民との接点はまったくない。
唯一、難民を治療したり、
ときには検死をする島の医師をのぞいて。
このドキュメンタリー映画は、
淡々とそんな島の日常を描き続ける。
ランペドゥーサ島の現状は、
イタリアであり、
ヨーロッパであり、
日本であり、
世界だ。
東京都。2017年。
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by apolro | 2017-03-15 10:55 | 映画で旅する | Comments(0)

映画『コマンダンテ』を観た。

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昨年の暮れにフィデル・カストロが亡くなった際に、
近いうちにぜひ観なければと思っていた映画、
『コマンダンテ』をようやく観た。
『プラトーン』や『JFK』で知られるオリバー・ストーンが、
フィデル・カストロに対して行った
30時間におよぶインタビューをもとにつくられた
ドキュメンタリー映画。
キューバ革命の成功以降、
フルシチョフやニクソンといった
超大国家のリーダーたちとの出会いとその印象、
世界が破滅しかけたキューバ危機、
そして盟友であるチェ・ゲバラとの別れなど、
彼とキューバが直面したさまざまなできごとについて、
ときには執務室で、
ときには街中で、
そしてときには食事をしながら、
忌憚なく語ってゆく。
彼は自分の銅像を造ったり、
自伝を書くことを許可していなので、
彼の生の言葉を聞けるのは、
実はとても貴重だったりする。
ちなみに若いころに好きだった女優は、
ソフィア・ローレンだとか。
なんだかわかるなー。
「私は自分自身の独裁者で、国民の奴隷である」
という有名なことばは、
ここでも語られていました。
この映画が公開されたのは2003年のサンダンス映画祭でのこと。
その後、全米でも公開される予定だったが、
圧力がかかり上映中止に。
僕がキューバを訪れたのは、
この映画が撮られる2年前のこと。
カストロが元気なうちに
キューバを訪ねてみたいという思いが強かった。
映画に映り込むハバナの街の様子や人々の息づかいは、
当時とさほど変わりはなく、
穏やかで自由な空気にあふれていた。
まあ、たしかにモノはあまりなかったけれど。
彼の死とニアミスするように誕生した
アメリカのトランプ大統領。
もしカストロが生きていたら、
かの大統領をどのように評したことだろう。
2003年のスペイン映画。
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by apolro | 2017-03-09 11:20 | 映画で旅する | Comments(0)

映画『ひつじ村の兄弟』を観た。

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舞台はアイスランド西部。
隣の家に住みながら、
もう40年も言葉を交わしたことのない羊飼いの兄弟が住む小さな村。
ある日、村の羊がスクレイピーという
致死性の伝染病に感染していることがわかり、
全頭殺処分の決定が出る。
頑固は兄はその決定に抗い、酒に溺れ、
冷静な弟は率先して決定に従うが、彼にも秘密があって……。
そんな決して明るいとはいえない物語が、
溶岩地形と牧草地、そして雪に覆われた
アイスランドの美しい風景のなかで展開してゆく。
この映画、日本語の予告編を観たら、
本編とは全然異なるニュアンスで紹介されていて、
まるで北欧の田舎を舞台にした、
ほのぼの映画のようで笑ってしまった。
まあ、監督も役者も日本ではあまり知られていないうえ、
こんなに重たい話だとわかったら
客足も延びないだろうからという判断なんだろう。
さすがにこの映画では涙腺緩むシーンはないかと思えばさにあらず。
アイスランドの風景が懐かしくて懐かしくて、
ちょっと危なかった。
アイスランドに行ってまだ1年も経っていないというのに。
登場人物がみんな、柄が特徴的なアイスランドセーターを
着ているんだけれど、
これも映画的な演出ではない。
実際に現地でも若者もおじいちゃんもよく着ていたな。
2015年に公開されたアイスランド/デンマーク映画。
2017年。東京都。
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by apolro | 2017-03-04 11:51 | 映画で旅する | Comments(0)