先日訪れた白沢峠からは、
かつて秩父往還と呼ばれた旧街道を目指して急降下する道を選んだ。
地図上には「道狭く荒廃気味」との表記があったが、
いちおう一般登山道だし問題ないでしょと踏み入れたものの、
たしかに崖に無理矢理道筋をつけたような部分もあってちょっとスリリング。
あらためて地図で確認してみれば、
600mほどの標高差を2㎞で下りきる勘定だ。
足元遠くを流れる白沢は、
この山域独特のナメ滝が続いてなかなか美しいのだけど、
そんな風景を眺めてボンヤリする余裕もなく、
グズグズの足元を慎重に歩いていく。
そしてやがて出てきたのがこのハシゴ道。
いあや、たしかにこの岩場をへつって越えるよりこれのほうが助かるが、
前日の雨もあって踏面がツルッツルに滑るのだ。
足元はスッパリと切れ落ち、
ハシゴ道自体を迂回するのも難しい。
よく見れば手すり代わりなのだろう、
右手に針金が一本渡してある。
しかしこの針金が先でどんな状態で固定されているか確認できないし、
そもそも針金自体の強度もあてにならない。
恥ずかしながら四つん這いになって越えましたよ。
近場とはいえ油断は禁物ですな。
山梨県。2022年。