2012年 01月 06日
映画『タンタンの冒険 ユニコーン号の謎』を観た。
昨年12月初日の公開以来、
行こう行こうと思っていたらいつのまにやら公開終了館がちらほらと。
慌ててシネマスクエアへ。
コミックのほうをずーっと愛読している立場としては、
今回の映画化は期待半分不安半分。
「タンタンが思慮のない軽薄キャラになってたらどうしよう」とか、
「時代設定メチャクチャにして携帯とか使ってたらやだな」とか、
心配はありましたが、実際に観てみるとそれは杞憂でした。
副題に『ユニコーン号の謎』とありますが、この一作だけを映画化したわけではなく、
そのほかに『レッド・ラッカムの宝』『金のハサミのカニ』という
合計三作品をもとにしてシナリオを書き直したもの。
これがとてもうまくいっていました。
『レッド〜』はもともと『ユニコーン〜』の続編なのですが、
『金のはさみ〜』は別作品。
これが自然な流れで再構成されていて、
思わず家に帰ってから、「こんな話だったっけ?」と、
みんな読み返しちゃいましたよ。
時代も原作と同様に第二次世界大戦後のヨーロッパ。
メカオタクのスピルバーグらしく、
当時のクルマや飛行機、船へのこだわりも感じられます。
また「原作中の、こんな細かいカットを忠実に再現するかね!?」
というシーンも随所にあって、このへんは原作者エルジェへの敬意かな。
たとえばこんなコマは
こんなカットに。
ストーリー的には、
冒険活劇大得意のスピルバーグですからまさに息もつかせぬ展開です。
原作の色彩感覚ももう少し強調してほしかったけど、
そのへんはも紙と映画という表現手段の違いもあるのかな。
いずれにしても僕的には十分及第点。
タンタンの原作は全24作あるので、
今回のようの映画1本につき3作を費やすとしてもあと7作は作れる計算です。
次作を楽しみに待つとしましょう。
東京都。2012年。