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なんにもない葦原に、ただ風だけが吹いてた。

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強い北風が吹くなかの渡良瀬遊水池。
週末なのに誰もいませんよ。
広大な葦原は風に流され、寄せては返す波のようです。
その向こうに見えるのは足尾の山々でしょうか。
もともとこの遊水池は、
足尾鉱毒事件で流出した鉱毒を沈澱させるために作られたもの。
当時この地にあった谷中村は政府により強制廃村となり、
立ち退かなかった住民の家屋も強制破壊されたという話を聞きながら、
今の福島の状況を鑑みると、
私たちは歴史から何も学ばなかったのかと悲しくなります。
この甚大な公害による環境破壊に気づき、
時の天皇に直訴することによって事態を知らしめた
田中正造という人はやはりすごいですね。
明治の時代にそんなことをするのは、
現代よりどれだけの覚悟が必要だったことでしょう。
ちなみに直訴以前に、国会にて田中正造が行った足尾鉱毒に関する質問に対し、
首相・山縣有朋は「質問の意味がワカラナイ」として答弁を拒否したとのこと。
このへんも、なんの進歩もないような……。
栃木県。2013年。
by apolro | 2013-03-04 11:09 | 旅の日々 | Comments(0)

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