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母島の密林に眠る高角砲。

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母島の密林のなかには、
今もいくつものの高角砲が眠っています。
設置したのはもちろん旧日本軍ですね。
サイパンが陥ち硫黄島も陥落。
次はいよいよアメリカ軍は小笠原に迫ってくるに違いないと、
島民を強制疎開させ、
小笠原諸島の要塞化を図ったのでしょう。
高角砲以外にも、
岩壁の随所をくり抜いたトーチカや、
そのトーチカとトーチカを結ぶ塹壕跡も見られます。
しかし実際には、
アメリカ軍は自軍の被害も大きい上陸作戦は極力避け、
いわゆる「飛び石作戦」で、
主要な島のみを攻めました。
そんな危険を冒さなくても、
すでにサイパン方面からB-29で
直接日本を空襲できるようになっていましたしね。
かくして幸いなことに小笠原の高角砲はあまり活躍することなく、
今も静かに首を垂れたまま、
朽ちゆくときを待っています。

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調べてみると「四五口径十年式十二糎高角砲」というもので、
当時の軍艦にも搭載されていたもののようです。

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周辺を歩いていると、
「まさか不発弾が埋もれていたりしないよな」
とちょっとへっぴり腰になってしまいます。

母島の密林に眠る高角砲。_f0217617_17552646.jpg
高角砲のほうは、一応米軍によって
利用できないように処理はされたようですが。
こんな楽園のような美しい島にも
厳しい歴史の現実があったのですね。
東京都。2016年。
by apolro | 2016-06-04 17:57 | 旅の日々 | Comments(0)

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