2016年 11月 09日
人が去った集落にて。
登山道沿いに廃屋が現れてきます。
登山地図にも「廃屋跡」と記されているこの一画、
数軒の廃屋が寄り添うように建っているので、
廃屋というより廃村といってもよいのかもしれません。
それぞれの傷み具合もさまざまで、
完全に崩壊してしまったものから、
つい最近まで人が住んでいたのではないかと
思われるものまでさまざま。
一軒、また一軒とこの山中の集落から住人が去っていたことがうかがえます。
往時にはここを家族で囲んでいたのでしょうか。
薪でご飯を炊いていたのですね。
電気は通っていたことがわかります。
トイレでしょうか。
玄関のガラスもしっかりしています。
家の目の前に石仏が祀られているのがちょっと不思議です。
屋根が登山道まで覆いかぶさってしまっている家。
通過するときは沢のスノーブリッジをくぐるような怖さがあります。
タイトルは『父の魂』。
この作品は1968年、
まだ隔週刊だった少年ジャンプ創刊時に連載されていたものだそうです。
僕もこの作品のタイトルだけは知っていましたが、
さすがに読んだことはありません。
少なくとも50年前には、
まだこの集落は生きていたということですね。
今後ますます日本の人口は減少、
そして都市部への集中が進んでいくことで、
こんなふうに「あそこも昔は人が住んでいてねー」などと語られる、
廃村ならぬ、廃町や廃市が現れてくるのかもしれません。
山梨県。2016年。