2016年 12月 11日
『近代食堂事始』展へ。
これは東京における「食堂」の誕生を俯瞰するという企画展。
「食堂」ということばは、
もともとは寺院で僧侶が食事を摂る
「食堂(じきどう)」に由来しているそうで、
それが英語の「dining room」に対応させる
日本語として使われるようになったのだとか。
外食場所としての食堂は、
大正から昭和にかけて普及。
比較的安価なメニューを供する場所をそう呼ぶようになったそうです。
都民の安定した食事を提供するために
公営の食堂も多く作られていたという成り立ちは、
戦後の民生食堂の誕生を彷彿とさせますね。
もっともその計画も関東大震災で頓挫してしまったようですが。
この「深川東京モダン館」の建物自体も、
唯一現存する当時の市営食堂のものなのだとか。
展示はこぢんまりとしたものでしたが、
興味深かったのが、
当時の食堂のマッチ箱デザインの数々。
近代から現代に至るデザインの変遷が素敵です。
昨今、次第に飲食店の専門店化が進むのはいいのですが、
こういった食堂、とくに独立系の食堂が
だんだん減ってしまっているのはちょっと淋しいですね。
東京都。2016年。