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君は妖怪「土転び」か。

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山道を歩いていると傍らに奇妙なものが。
一見、山の斜面から突き出てきた樹木の根っこのようではあるが、
こんなに毛がぼうぼうに生えている根っこは見たことがない。
さらに近づいてみると……。

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まるでマンモスの脚みたい。
いや、いくらなんでもそれはない。
たしか、水木しげる先生の描く
「土転び」という妖怪の質感がこんな感じではなかったか。
いやいや、それもない。
ひとりで山を歩いていると、
いろいろとしょうもないことを妄想するものである。
少し歩くとまた出てきた。

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今度は登山道にまたがって横たわっている。
さらにしばらく歩くと、
ひとつのヒントが現れた。

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山腹の一角にシュロの木が群生していたのである。
シュロの根っこというのを見たことはないが、
樹皮の毛むくじゃら状態を見れば、
根っこも似たような形状なのだろうと想像できる。
もしかしたら一帯広域にわたってシュロが生えているのかもしれない。
そしてあの妖怪「土転び」も、
それらの根っこが飛び出してきたのかもしれない。
だが、そこで新たな疑問が。
なんでこの一角にだけシュロの群林があるのだろう。
シュロというのは寒さに弱いものの、
いっぽうでは鳥などに種が運ばれ、
容易に移植、繁殖しやすいものだそうだ。
そして近年の温暖化。
このシュロ林もそれが原因か。
そして、もうひとつの推理は人の手によるもの。
シュロの皮はタワシやホウキなどの日用品の材料に用いられる。
この場所は山麓最後の集落からさほど遠くない場所。
もしかしたら集落の住民が加工用に植えたのかもしれない。
いずれにしても山怪の類でなさそうで、
よかったよかった。
山梨県。2017年。
by apolro | 2017-01-28 10:50 | 旅の日々 | Comments(0)

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