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映画『海は燃えている』を観た。

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映画の舞台はイタリアの離島・ランペドゥーサ島。
ベラージェ諸島に属し、
さらにはシチリアのアグリジェント県に属する
面積20平方キロほどの小さな島だ。
以前シチリアを訪ねたときに、
ついでにいけないものかとちょっと考えてみたのだが、
甘い甘い。
シチリアからは200キロ以上南西に離れ、
逆にアフリカのチュニジアまでは100キロほどの距離。
しかもその間にはマルタ共和国という、
別の国まである。
とてもとても「ついでに」行ける島ではなかった。
近年、この島の地理的な理由から、
アフリカから膨大な数の難民が命がけでやって来る。
その数は、人口5500人ほどの島に、
年間50000人以上。
辿り着けなかった人も含めればいったいどれだけの数になるのか。
島には巨大なレーダーが設置され、
ひとたび救難コールがかかれば、
救命艇、ヘリコプターで救助に向かう。
いっぽう、島には島の日常がある。
子どもは学校に行き、
母は食事をつくり、
父は海に漁に出る。
島の日常。
そこには難民との接点はまったくない。
唯一、難民を治療したり、
ときには検死をする島の医師をのぞいて。
このドキュメンタリー映画は、
淡々とそんな島の日常を描き続ける。
ランペドゥーサ島の現状は、
イタリアであり、
ヨーロッパであり、
日本であり、
世界だ。
東京都。2017年。
by apolro | 2017-03-15 10:55 | 本で映画で旅をする | Comments(0)

今日の旅、昔の旅、そして狭間のよしなしごと。

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