人気ブログランキング | 話題のタグを見る

漫画『マタギ』を読んだ。

漫画『マタギ』を読んだ。_f0217617_116116.jpg
中学一年のとき、
石橋君という友だちがいた。
彼は大の矢口高雄漫画好きで、
当時出版されていた矢口高雄漫画をすべてを持っていた。
僕も『釣りキチ三平』くらいはそろえていたが、
それ以外の作品はまったく知らず、
彼からたくさんの本を貸してもらった。
なかには『おらが村』のように、
中一にはちょっと刺激が強い話もあったが、
総じて地元秋田の自然を叙情豊かに表現した物語ものが多かった。
この『マタギ』を読んだのも彼に借りたのがたぶん最初。
当時は「マタギ」と呼ばれる人たちの
カッコよさばかりに目がいっていたが、
あらためて読み返すと、
ずいぶんていねいにマタギ文化を取材したうえで
描いていたんだなと気づく。
子ども心にも、
マタギと、猟師やハンターがイコールではないこと知ったのは、
この作品のおかげではなかったか。
彼の真骨頂ともいえる、
野生生物たちの生態描写も細かく、
そして多岐にわたっている。
クマやカモシカはもちろん、キツネ、サル、
果てはバチヘビ(ツチノコ)やニホンオオカミまで!
クマやカモシカといった、
街中の子どもには縁遠い野生生物の生態についても、
僕はこの作品で初めて知ったのではなかったか。
知らず知らずのうちに僕は彼の作品で、
自然に関するさまざまなことを学んでいたんだなと再認識。
彼の書いたエッセイに『ボクの先生は山と川』というのがあるが、
さしずめ僕にとっては、
『ボクの山と川の先生は矢口高雄の作品』といったところか。
文庫ながら総頁800ページ越えという、
レンガのような造本も一見の価値有り。
製本屋、頑張った。
東京都。2018年。
by apolro | 2018-01-08 11:16 | 旅の生き物、日々の生き物 | Comments(0)

今日の旅、昔の旅、そして狭間のよしなしごと。

by apolro