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水道道路を歩く。

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『水道道路』と呼ばれる道がある。
近代の都市化のなかで急激に普及した上水道。
その水道管を敷設した上を道路にしたものをこう呼ぶ。
その性格上、
目標に向けて一直線に作られたものが多く、
地図を眺めるとその姿はちょっと異彩を放っている。
僕が住んでいる高円寺にも水道道路は延びている。
もともとは多摩川の水を中野、板橋の給水塔へ
導水するために作られたものらしい。
多摩川から世田谷の砧を経て高円寺へとまっすぐに延びている。

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今回、桜上水の花見会に誘われるにあたり、
目的地がちょうどこの水道道路上にあることに気づき、
ならばと高円寺の自宅から歩いて出向くことにした。
どうせ一直線なのだから地図もいらんだろうと、
思うがままに歩いてみたところ、
序盤にはいがいにも紛らわしい分岐があってちょっと悩む。
しかしそんなところにはこんな看板が出ていて、
これが道標となってくれた。

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大型車両が通行止めなのは、
埋設されている水道管の破損を防ぐためのようだ。
水道管のために作られただけあって、
道は細く、一方通行の場所も多い。
やがて道はひたすらまっすぐ延びてゆくようになる。

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どこまでもまっすぐ。

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都心部の細い道でここまで一直線なのはなかなか珍しいのではないか。

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方南通りを斜めに横切る。

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井の頭通りとの交差点には「荒玉水道」の表記が。
この道路の正式名称は都道428号線高円寺砧浄水場線というのだが、
通称「荒玉水道」と呼ばれているのだ。
ちなみに「荒」は荒川より、
「玉」は多摩川より取られているらしい。

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やがて井の頭線を渡る。
相変わらず道はまっすぐだ。

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地平線、といったら大げさだが、
春霞に煙って先が見渡せない。

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道が次第に下り勾配になってきた。

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下りきったところに現れたのは神田川。
舞い落ちた桜の花びらがゆっくりと川面を流れていた。

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しばらくすると首都高の高架が見えてきた。
今回目指す桜上水は近い。

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首都高の下を走る甲州街道を歩道橋で渡ると、
そこには京王線の線路が立ちはだかっていた。
ここで水道道路は途切れるのかと思ったが、
すぐ脇に踏切があった。

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踏み切り脇の民家越しに覗いてみると、
その先にも延々と道路がまっすぐ延びているのが見える。
思わず踏み切りを渡りそうになるが、
今回のゴールはすぐ横にある桜上水駅。

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続きは次回に持ち越しとして駅に向かう。
桜上水での花見場所は、
玉川上水を暗渠化して作られた緑地公園。
そこで桜を愛でるとは、
なんだかダンドリっぽくて、よいね。
高円寺から桜上水まで、
およそ1時間の小さな歩き旅。
東京都。2018年。
by apolro | 2018-04-03 11:28 | 旅の日々 | Comments(0)

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