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浜町公園に対する既視感。

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先日、日本橋人形町の銭湯に出向いたときの帰り道、
『浜町公園』という指導標を見かけた。

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浜町公園。
なにか記憶に引っかかっている。
果たしてそれはなんだったかと思い出しながら、
その指導標に従って足を向けてみることにした。
やがて到着した浜町公園は、
典型的な都市型公園で、
規模もそれほど大きいわけではない。
過去に自分が来たことがないのは間違いない。
しかしなんだろう、
この既視感は。
公園内をしばらく歩いてみると、
反対側がちょっとした高台になっていたので、
そこを上がってみる。
すると目の前に突然一本の川が横たわっていた。
隅田川だ。

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そして対岸は深川。
架かっている橋は新大橋。
それを知ったときにすべてが解決した。
それは母がよく聞かせてくれていた、
自分が子どものころの昔話である。
深川・清澄町で生まれ育った母は、
当然その界隈が遊び場だった。
「新大橋を渡って、浜町公園でよく遊んだのよ」
という思い出話を何度もしてくれて、
それが記憶のどこかに引っかかっていたのだろう。
「新大橋を渡るときはね、下を通るポンポン船目がけてペッと唾を落とすの。そして、急いで橋の対岸に渡って下をのぞき込むと、たいてい船頭のおじさんがギロリと見上げていてね」なんていう、
しょうもない自慢話と一緒に。
深川に住んだことも泊まりにいったこともない僕には、
その地理感覚がつかめていなかったのだ。
日本橋といえば、当時から東京を代表するおしゃれな町。
いっぽう深川といえば、
うちの母に代表されるようなガラッパチの下町。
まさか両者がこんなにも近かったとは。
まだまだ東京について知らないことがたくさんある。
そんなことを、
今は亡き母に教えられようとは。
東京都。2018年。
by apolro | 2018-05-03 12:03 | 旅の日々 | Comments(0)

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