2018年 12月 16日
映画『ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男』を観た。
ドリス・ヴァン・ノッテンといえば、
いわずと知れたファッションデザイナー(本人は「ファッション」いうことばは好きではないようだけど)にして、
「アントワープ六人衆」と呼ばれた、
1980年代に突如ベルギーにきら星のごとく登場したデザイナーたちのひとりだ。
映画は彼の服飾に対する取り組み、生きざま、
達成感と苦悩を丹念に撮影したドキュメンタリー。
最近はすっかりアウトドアウエアばかり着るようになってしまった僕も、
若いころはそのあたりの服を気にしたりした時期もあり、
当時、彼がヨーロッパのフォークロアっぽい、
いかにも僕が好きそうなデザインを得意としていたころには、
アントワープまでベルギービールを飲みに出かけたついでに、
彼の旗艦店である
『ヘット・モードパレス』をのぞいたりしたこともあったのだ。
この作品も観ると、
最近はずいぶん作風も変わったようで、
さすがに今の自分が着るのはちょっとしんどいかも。
カメラは彼の自宅にまでも入るのだが、
この家がすごい。
30年近くつきあっているという同性の恋人と暮らすその家は、
お城のような白亜の建物、
橋がかかる池のある広大な庭。
そこには四季折々に咲き誇るさまざまな花たち。
そんな花々を自分で摘みに出て、
部屋のあちこちに飾っていく。
うらやましいけれど、
こんな庭、庭師を雇いでもしないと絶対維持できないよね。
しかしこの自宅にしてもオフィスにしても、
デザイナーだけあってインテリアは完璧。
隙がない。
それと自分の仕事部屋とをくらべると、
その惨状になんとかせねばという気持ちが激しく起こったことも、
最近、急に部屋の模様替えをしたくなった理由のひとつかもしれない。
そんな効能? もあるので、
たまにはこういう映画を観たほうがいいのだろう。
仕事部屋のほうはたいして変わり映えしなかったけど。
2018年日本公開のベルギー・ドイツ合作映画。
東京都。2018年。