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ノルウェイのブラウンチーズ。

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今回ノルウェイを旅していて、
初めて食べたのがこの「ブラウンチーズ」。
オスロに着いて泊まった宿の朝食ブッフェに並んでいたのだ。
置かれていた位置からチーズと推測されるのだが、
見た目は粘土のよう。
少しだけ味見をしてみるとなんと甘い。
ただ甘いというのではなく、
まるでキャラメルのようなコクと香りが伴っている。
もしかしてこれはデザートなのではと、
一応スタッフに確認してみると、
まがうことなきチーズなのだそうだ。
ネットリとした質感はナイフでは切りにくいのだろう。
スライサーというかカンナ状に表面を削るカトラリーが置かれている。

ノルウェイのブラウンチーズ。_f0217617_18204952.jpg
後に山小屋で同宿したノルウェイ人に尋ねてみると、
「ノルウェイにはそんなにチーズのバリエーションはないけれど、ブラウンチーズはスペシャリテさ」とのこと。
そんな話題になったころからもわかるように、
山小屋の朝食にも出されていて、
いわばノルウェイ人の国民食的なものらしい。
山歩きを終えてオスロに戻ったとき、
あれを買いたいなと思って各種食材店が集まっている、
市場のようなところへ出かけた。
入ってすぐにチーズを並べている店があったのでそこに入り、
「ブラウンチーズ、ある?」と尋ねると、
ちょっと失笑したような感じで「うちは主にフランス産のチーズを扱ってるもので……」とのこと。
なんだよ。自国の文化を嗤うのかよとも思ったが、
でも「三軒先のノルウェイ食材店ならあると思うよ」と、
親切に教えてくれたのでよし。
その足で教えられた店に行き、
再びブラウンチーズの有無を尋ねると、
またもやちょっとした失笑気味の笑いが。
え、ここもそうなのと一瞬思ったが実は違った。
こちらには何種類もブラウンチーズを置いていて、
しかも味見もできたのだった。
ならばなぜ、質問したときの失笑したのかと思ったのだけれど、
ブラウンチーズの説明を聞いているうちに納得。
おそらくは「ノルウェイ食材を売りにしているうちの店に、『ブラウンチーズ、ある?』って聞くかね?」という失笑だったのだろう。
無事に味見を終えて、
お気に入りのブラウンチーズを購入できたのだった。
ちなみになんであんなキャラメル風味がして甘いのか尋ねると、
砂糖などはいっさい用いず、
ヤギの乳を、
時間をかけてことこと加熱して、
あの甘味を出すのだとか。
たしかにいわれてみれば、
キャラメルやコンデンスミルクも生乳由来だもんね。
また未知のものに出会えた。
オスロ/ノルウェイ。2019年。

by apolro | 2019-09-07 18:21 | 旅の日々 | Comments(0)

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