ギリシャ行きのフェリーボート。

ギリシャ行きのフェリーボート。_f0217617_15212359.jpeg
仕事部屋の押し入れにはさまざまな旅の有象無象がみっちり放り込まれており、
最近は少しずつそんな欠片を整理している。
今日は懐かしいフェリーのチケットが現れた。
時は1987年。
シベリア鉄道でヨーロッパに到着した僕は、
北欧のフィンランドから少しずつ南を目指して旅を続けていた。
やがてイタリアに着き、
数年前に友人になったラベンナ在住のイタリア人の家に厄介になった後、
さらに南へ、
ギリシャを目指した。
そのときに乗ったフェリーのチケットがこれ。
出港地はイタリアのブリンディジ。
ブーツみたいな形状をしたイタリアのカカトにある港町だ。

目指したのはギリシャのパトラ。
ペロポネソス半島のアドリア海に面した港町。
そのころなので運賃はまだリラで表記されている。
当時、ヨーロッパのなかでも南の国は物価が安くて旅しやすいという前評判があったが、
イタリアはすでにそれから抜け出していて、
貧乏旅行者はあれやこれやに苦労した。
フェリーの出航を待つ間、
港の公園にあるベンチに座り、
市場で買ったオリーブの実をつまみに、
安ワインを飲みながら延々と時を過ごしていたのを思い出す。
オリーブの種はそのまま足元にペッと吐きだしていたのだが(マナーが悪い)、
ふと見ると明らかに自分が出したものではない古い種があちこちに散らばっていた。
もしかした貧乏旅行者の先人が、
僕と同じようにオリーブをかじりつつここでフェリーを待っていたのかと想像すると、
なんとなくうれしくなった。
1987年。ブリンディジ/イタリア。

by apolro | 2026-02-21 15:22 | 旅の日々 | Comments(0)

今日の旅、昔の旅、そして狭間のよしなしごと。