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旅と暮らしの日々 by sato tetsuya


今日の旅、昔の旅、そして狭間のよしなしごと。
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2018年 02月 25日 ( 1 )


渡し船部2018年活動再開、『小堀の渡し』その4。

f0217617_1073929.jpg
途中で寄港する船着き場を後に、
『小堀の渡し』は終着の船着き場である、
鉄橋下の取手ふれあい桟橋を目指す。
これまでに乗った利根川の渡し船はどれも、
乗客はもちろん、船頭さんも吹きっさらしのもとでの旅だったが、
このとりで号には前述のように室内席もあるし、
屋根つきの操舵室もある。

f0217617_1081149.jpg
そこだけ見ると、
小さな漁船みたいだ。
冬の澄んだ空気のなか、
やがてゴールが見えてきた。
四隅に穿たれた赤い鉄柱がひときわ目を惹くが、
これは実は桟橋を半可動状態で維持しておくためのものだそうで、
つまりたとえ利根川が増水しても、
桟橋はこの鉄柱に守られて上下動するのだ。

f0217617_10151349.jpg
その巨大な鉄柱から、
あらためて荒天時の利根川の暴れっぷりが伺える。
話は前後するが、
そもそもここになぜ渡し船が存在するのか。
それも実は利根川の氾濫に関係している。
まず地形図を眺めるとわかるのが、
小堀地区の特異性。

f0217617_10112023.jpg
千葉県と茨城県はその県境の多くを利根川で規定しているのだが、
そんななかなぜか小堀地区だけが利根川の右岸、
つまり千葉県側に位置しているのだ。
なんでこんなことになったのか。
これも地形図を眺めると一目瞭然。
小堀地区の南側には古利根池と呼ばれる池がある。
昔の利根川がここを流れていたことを示す、
いわゆる三日月湖だ。
三日月湖というと『釣りキチ三平』的な文脈でいうと、
とんでもなく巨大な野鯉が生息していそうだが、
実際にはヘラブナやバスの有名釣り場らしい。
今から100年以上前、
度重なる利根川の氾濫に手を焼き、
その結果として流路改修されたのが現在の利根川の流れ。
そしてそのために、
それまでは利根川左岸にあった小堀地区は右岸、
つまり千葉県側になってしまったというわけだ。
しかし川向こうの住民になってしまったとはいえ、
行政上は茨城県。
子どもたちは対岸の学校へ通わなくてはならないし、
大人だって取手駅方面へ買い物に出る必要もあるだろう。
そんなことからこの渡し船は運航されることになったのだとか。
川に歴史あり。
いや河川改修に歴史あり。
いやいや渡し船に歴史あり。
やがて渡し船は無事に着岸。
僕は心のなかで「では、サラバ!」とつぶやきながた、
船を下りて取手駅方面へ歩き出した。
茨城県。2018年。

by apolro | 2018-02-25 10:14 | 旅の日々 | Comments(0)