旅と暮らしの日々 by sato tetsuya


今日の旅、昔の旅、そして狭間のよしなしごと。
by apolro
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カテゴリ:映画で旅する( 73 )


映画『チャッピー』を観た。

f0217617_13501179.jpg
舞台は近未来の南アフリカ・ヨハネスブルグ。
凶悪犯罪の激増に対応するため、
警察は人工知能を装備したロボットを配備する時代。
そんななかで、
人とまったく同じ「意識」を有する人工知能の開発に成功した技術者が、
それを一体のロボットにインストールしたことから、
物語は大きく進んでいく。
ロボットが自我に目覚め、
さらには人間の意識のバックアップを完全に取ることが可能になり、
それをロボットにインストールできるようになったとき、
人とロボットとの違いはなんなのか。
これは昔からSFのテーマとして数多く扱われてきたけれども、
AIが日常生活にも利用されるようになってきた現代、
なかなかリアルなネタになってきましたね。
意識を持ったロボットは赤ん坊と同じで、
善も悪もなく、
ただ純粋な自己防衛本能のみを糧とする。
そこにはアシモフのロボット三原則が、
あまり現実味がないことを嫌でも知らされます。
昔、『伝説巨神イデオン』というアニメでも、
無限力『イデ』発現のきっかけを
「純粋な自己防衛本能」と言っていたような。
2015年のアメリカ映画。
東京都。2019年。

by apolro | 2019-02-21 13:51 | 映画で旅する | Comments(0)

映画『転校生』を観た。

f0217617_17101484.jpg
舞台は広島の尾道。
いわずと知れた大林宣彦監督の尾道三部作の一作目だ。
当然観ていていい映画なのに、
なぜかこれまでその機会がなかった、
いわゆる取りこぼし映画。
来月に仕事で尾道方面に行くことになり、
ここぞとばかりに観ておこうと思ったら、
どんな事情かは知らぬが、
レンタルが出ていないのだ、これ。
それも見そびれてきた理由のひとつか。
しかしそんなことをいっていたら、
生きているうちに観られるかもわからない。
ここはえいやっとセル版を5000円近く出して購入。
ストーリーはもうほぼほぼ知ってはいるのだけれど、
それでもやっぱり素敵な映画。
男女の心と体が入れ替わるという設定に、
若き日の小林聡美と尾美としのりによる演技が見事。
もちろん古きよき、
昭和の尾道の街並みも美しい。
僕くらいの歳になれば、
「心と体が入れ替わったら、それはそれで新鮮で楽しいかもね。できれば美人でよろしく」などと、
しょうもないことも思えるけれど、
彼らはまだ中学生。
ちょっとしたことで人生が終わったと思い込み、
しかもそれを誰にも相談できない、「ザ・思春期」。
おじさんは不覚にもまた落涙してしまいましたよ。
願わくば、この映画を中学生時代の自分に見せてやりたかった。
ちなみにジャケットの小林聡美と尾美としのりが、
なんでこんな表情をしているのかはいわずもがな。
1982年の日本映画。

by apolro | 2019-01-25 17:10 | 映画で旅する | Comments(0)

映画『ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男』を観た。

f0217617_15592953.jpg
舞台はベルギーのアントワープ。
ドリス・ヴァン・ノッテンといえば、
いわずと知れたファッションデザイナー(本人は「ファッション」いうことばは好きではないようだけど)にして、
「アントワープ六人衆」と呼ばれた、
1980年代に突如ベルギーにきら星のごとく登場したデザイナーたちのひとりだ。
映画は彼の服飾に対する取り組み、生きざま、
達成感と苦悩を丹念に撮影したドキュメンタリー。
最近はすっかりアウトドアウエアばかり着るようになってしまった僕も、
若いころはそのあたりの服を気にしたりした時期もあり、
当時、彼がヨーロッパのフォークロアっぽい、
いかにも僕が好きそうなデザインを得意としていたころには、
アントワープまでベルギービールを飲みに出かけたついでに、
彼の旗艦店である
『ヘット・モードパレス』をのぞいたりしたこともあったのだ。
この作品も観ると、
最近はずいぶん作風も変わったようで、
さすがに今の自分が着るのはちょっとしんどいかも。
カメラは彼の自宅にまでも入るのだが、
この家がすごい。
30年近くつきあっているという同性の恋人と暮らすその家は、
お城のような白亜の建物、
橋がかかる池のある広大な庭。
そこには四季折々に咲き誇るさまざまな花たち。
そんな花々を自分で摘みに出て、
部屋のあちこちに飾っていく。
うらやましいけれど、
こんな庭、庭師を雇いでもしないと絶対維持できないよね。
しかしこの自宅にしてもオフィスにしても、
デザイナーだけあってインテリアは完璧。
隙がない。
それと自分の仕事部屋とをくらべると、
その惨状になんとかせねばという気持ちが激しく起こったことも、
最近、急に部屋の模様替えをしたくなった理由のひとつかもしれない。
そんな効能? もあるので、
たまにはこういう映画を観たほうがいいのだろう。
仕事部屋のほうはたいして変わり映えしなかったけど。
2018年日本公開のベルギー・ドイツ合作映画。
東京都。2018年。

by apolro | 2018-12-16 16:03 | 映画で旅する | Comments(0)

追悼ベルトリッチ監督で『ラストエンペラー』を再観。

f0217617_1243013.jpg
先週、ベルナルド・ベルトリッチ監督が死んだ。
77歳。癌だったそうだ。
彼の作品といえば『ラストタンゴ・イン・パリ』や『暗殺の森』が有名だが、
僕が思い入れ深いのは『ラストエンペラー』。
この映画が公開されたとき、
僕はイタリアのラベンナという街にいた。
数年前に中国で知り合ったエルメスというイタリア人の家に、
ひと月ほど転がり込んでいたのだ。
その街の映画館でかかっていたのが『ラストエンペラー』だった。
イタリアへは中国経由で辿り着いたので、
中国ではこの映画の舞台となる紫禁城も訪ねていた。
なので映画館のポスターに描かれていた荘厳な紫禁城と、
中国国内からお上りさんたちでひしめき合っていた、
現実の紫禁城とのギャップにまずはショックを受けた。
ポスターに坂本龍一の名があったのも驚いた。
当然、すぐ映画を観ようと思ったのだが、
聞けば全編イタリア語の吹き替え版とのことで、
それは厳しい。
吹き替え版、スペインやイタリアで多いよね。
またそのうち観る機会があるだろうと、
先延ばしにしていて、
ようやく再会したのはその旅の後半、
香港ではなかったか。
香港の公用語は英語だったので、
映画も当然英語版。
まあ、イタリア語よりはと思って劇場へ。
内容はご存じの通り、
清朝最後の皇帝・愛新覚羅溥儀の数奇な一生を描いたものだ。
知っているようで知らなかった、
中国近現代史を美しい映像と、
飽きさせないストーリーで展開させていく。
英語だったので会話は半分もわからなかったが、
坂本龍一の音楽が「あ、ここは今感動するところなのだな」と教えてくれた。
坂本龍一は科白は少ないほうがいいな、とも思った。
ちなみにこの映画、
現在の中国では上映できるのだろうか。
こんなふうに中国という国の中枢がころころと変わってきたことを、
現政府は人民にはあんまり知らせたくないだろう。
東京都。2018年。

by apolro | 2018-12-05 12:07 | 映画で旅する | Comments(0)

映画『スイス・アーミー・マン』を観た。

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舞台は大平洋の無人島。
ひとり漂流した若者が、
絶望のあまり自死しようとしたまさにその瞬間、
ひとりの男が浜辺に打ち上げられる……。
「無人島」ものであることと、
そのタイトルから勝手に、
「困難な状況下に『スイス・アーミーナイフ』ばりの工夫で立ち向かうのだな」
と思って見ていたら、
全然違っていてびっくり。
まさか死者とともに旅する男の話だったとは。
しかも全編を通じて死体役を演じているのは、
『ハリーポッター』の主役でお馴染みの、
ダニエル・ラドクリフじゃないか!
ラストシーンにはさらにびっくり。
初々しいカップルがデートで観に行ったら、
ちょっと気まずい思いをするかもね。
2016年のアメリカ映画。

by apolro | 2018-11-13 14:14 | 映画で旅する | Comments(0)

映画『夕凪の街、桜の国』を観た。

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舞台は昭和33年の広島。
この映画を知ったのは、
今年の5月に訪れた埼玉の銭湯だった。
浴場入口の張り紙から、
その翌週には店を閉めることを知り、
番台のおばあちゃんにあれこれを話をうかがっていたところ、
「こんな映画のロケにも使われてねえ」と見せてくれたのが、
シワシワになったこの映画のチラシだった。
たしかにあの銭湯なら、
昭和33年の時代設定でも大丈夫だったな。
原作は『この世界の片隅に』の、こうの史代。
『この世界の片隅に』の主人公が、
呉へ疎開して原爆を逃れたのに対し、
こちらは広島で被曝した家族の物語。
主人公の女性は原爆で父と妹を失い。
原爆投下からすでに13年も経っているのに、
自分もまたある日突然、血を吐く。
やがて舞台は平成に移り、
物語はさらに続く。
こぎれいな建物が整然と立ち並び、
幸せそうに見える街並みのなか。
それでもまだあの日の苦しみから逃れられない人々。
そして彼らに対する差別。
知識としては知っているつもりでも、
経験としては知らないことがある。
映画はそれを仮想体験させてくれる。
もちろん、あの銭湯も登場する。
そしてあの時代の、
広島の銭湯が意味することを痛感する。
主人公たちは当然広島訛りだが、
ひとりだけ、水戸の親戚に養子にとられた弟だけが、
茨城訛りなのが微笑ましい。
2007年の日本映画。
東京都。2018年。

by apolro | 2018-09-08 11:16 | 映画で旅する | Comments(0)

映画『海流のなかの島々』を観た。

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舞台はバハマ諸島の小さな島。
二度の結婚に失敗し、
静かに余生を送る男。
そこに息子たちが訪ねてきて、
それぞれが複雑な感情を抱きつつも、
美しい海を前にしての貴重な時間を過ごす。
リーフを乗り越えてやってくるシュモクザメ。
カジキとの死闘を通して、
次第に心を通わせてゆく親子だったが、
やがてカリブ海のこの美しい島にも、
第二次世界大戦の気配は訪れてきて……。
もちろん原作はヘミングウェイの同名小説。
この作品にかぎらず、
彼の作品を中高生時代に読んだときには、
なかなか感情移入できないなあと感じたものだが、
あらためて映画を観てそれも納得。
これはケツの青い十代のガキが、
そう簡単に「おもしろかった!」と
いえるようなものではなかったのだな。
少年、女、旅、孤独、生と死……。
人生の最終コーナーに入ってゆく男が、
これまでの自分の生き様を振り返る。
1977年にアメリカ映画。
東京都。2018年。

by apolro | 2018-08-19 11:53 | 映画で旅する | Comments(0)

映画『モンスターズ/地球外生命体』を観た。

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舞台はメキシコ。
地球外生命体のサンプルを入手した探査機がメキシコ上空で大破。
メキシコの北半分は地球外生命体の汚染地として隔離される。
そんななかを自国へ帰るべく北上するアメリカ人のロードムービー。
低予算のモンスターパニック映画の類かと思ったら、
全然違ってびっくり。
地球外生命体を駆除するためにアメリカ軍が空爆を行い、
その巻き添えで何千人もメキシコ人が死んだり、
地球外生命体というという外来種の侵入によって、
これまでの地球の生態系が汚染されはじめたりと、
いろんなテーマを封じ込めている。
地球外生命体を防ぐために、
アメリカがメキシコとの国境沿いに巨大な壁を築くくだりなんて、
トランプはこの映画を参考にしたんじゃないかと思うくらい。
低予算でもおもしろい映画は作れる!という点で、
若き日のスピルバーグの傑作『激突!』を思い出してしまった。
2010年のイギリス映画。
2018年。東京都。

by apolro | 2018-08-10 09:31 | 映画で旅する | Comments(0)

映画『キングスマン ゴールデン・サークル』を観た。

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舞台は現代のロンドン。
どの国家にも属さない独立諜報組織を中心としたスパイ映画
『キングスマン』の続編ですね。
前作もかっこよかったが、
これもまたカッチョイイ。
組織の入口が仕立て屋にカモフラージュされていて、
紳士の象徴である傘が強力な武器になっているといった設定は前回同様。
ただし今回は序盤で新たなる敵によって壊滅的な被害を受け、
残ったメンバーが途方にくれていたところに、
アメリカはケンタッキーに従兄弟的な組織があることを知り、
そこを目指す。
こちらの組織はウイスキー工場にカムフラージュされていて、
エージェントが使う武器はリボルバーの二丁拳銃だったり、
電磁ムチだったりと西部劇感満載。
普通、これだけやるとバカバカしさが鼻につきそうなものだけれど、
そうならないのは全体として
ものすごくスタイリッシュにつくられているせいだろう。
そのあたりがイギリス映画だなあと思わせます。
敵の基地がスキー場の上にあって、
そこから雪上のチェイスが始まり、
最後はユニオンジャックならぬ星条旗のパラシュートが開くあたりも、
古い007好きには思わずニヤリとしてしまう。
あ、あとですね。
エルトン・ジョンが本人役で大活躍してます。
2017年のイギリス映画。
東京都。2018年。

by apolro | 2018-07-27 11:21 | 映画で旅する | Comments(0)

映画『島の女』を観た。

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舞台はギリシャ。
エーゲ海にあるハイドラ島とのことだけど、
これは今で言うイドラ島、ヒドラ島かな。
アテネからフェリーで1時間半ほどで行ける島。
その島でカイメン採りの海女をしている主人公と、
彼女につきまとうアルバニアからの出稼ぎ男。
ギリシャとアルバニア、近いもんね。
僕がハンガリーのブダペストから鉄道に乗って、
旧ユーゴスラビア経由でギリシャに入ったのはもう30年も昔。
そのころユーゴはまだまだ理想的な他民族国家といわれ、
アルバニアに至っては完全に鎖国状態で、
外国人旅行者はいっさい入れなかった気がする。
話がそれた。
そのふたりに加えて酒呑みのイギリス人医師が、
海中に2000年前の沈没船を発見。
そしてそこに世界遺産級のお宝が眠っていたことから騒動は始まる。
主人公はソフィア・ローレン。
脇を固めるのは『シェーン』のアラン・ラッドだ。
このお宝を金目のものにするためには、
金持ちの外国人が必要とあって、
ソフィアはアテネに向かい、
そこでイイ考古学者とワルイ考古学者に出会い、
純朴な島の娘にすぎないソフィア・ローレンは、
結局ワルイほうにつく。
はたしてお宝の行方はどうなるのか。
ソフィア・ローレンは相変わらずお美しいが、
勝ち気で奔放な役の演技のあとに、
髪をを黒い布で隠して、
修道院で物静かにお祈りをする姿が、
ぞっとするほどセクシーでした。
これが緊張と緩和というやつか。
ギリシャの観光名所を入れ込み、
ソフィア・ローレンの歌や踊りも放り込み、
エーゲ海の小さな島の住人がみんな流暢に英語を話すあたりは、
アメリカ映画だなあ。
1957年のアメリカ映画。
東京都。2018年。

by apolro | 2018-05-17 18:29 | 映画で旅する | Comments(0)